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"As Long as the Heart…”を描いたアーティストJoe MrukとのQ&A

SFCC The ClubのテーマAs Long as the Heartのイラストを描いたピッツバーグ在住のアーティストJoe MrukとQ&Aをしました。Joeという人物について、ぜひ詳しく知ってもらえたらと思います!また、Alexが今年度SFCCのテーマにヴィジュアル・アイデンティティを与えるのは、Joeが最適だと思った理由などについて、こちらの記事も合わせてご覧ください。


Q: まずはじめに、このQ&Aのために時間を取っていただき、どうもありがとうございます。

A: いえいえ、こちらこそ!


Q: あなたがアートやイラストに興味をもった、描き始めた背景を簡単に教えて頂けますか?

A: 子供の頃は、ほとんど絵を描いて過ごしていたんだ。十代になると音楽にも深くハマって、曲を聴いて感じたことを絵にしていたよ。汚い街の景色とか、スケートボードをする人たちとかをたくさん描いた。スケートボードのカルチャーがアンダーグラウンド・アートへの入り口だったと記憶してる。ハイスクールでは作家になりたいと思っていたんだけど、カレッジで本格的にアートが自分の中に定着したんだ。だから、そこから始めたよ!


Q: それは、ずっと思い描いていたものですか?何か他の夢などはあったでしょうか?それとも、アートが常に生活の中心でしたか?

A: 子供の頃は、かなりの量の読書と、テレビの見過ぎもあったね!昔から過度に活発なマインドで、何か好きなものを見つけると、マグネットみたいに引き寄せられてどっぷり浸かるんだ。自分の衝動に従い、学校のノートには授業でのメモよりも、落書きのが多かったよ。カレッジに入る頃には、小説を2作品と、他にも小さな物語とか詩なんかをたくさん書いた。もちろん、未出版だけども。だって明らかに、経験のない青年が書いた作品だからさ。でも、とても誇りに思ってるけどね。一つは、船乗りのアクション・ストーリーで、もう一つは、ニューメキシコに済む十代の若者たちが友人の死を経験する話。文章を書く衝動は、アートを始めてから薄れたけれど、その経験があったからこそ、僕のアートにも物語のような特性があるんだと思う。以前よりも豊かな人生経験をし、成長した人間として、今、また作家活動をしようかなって考えているよ。特に子供向けの本とか、ヤングアダルト向けの文章を書きたいと思ってる。


Q: 自分の思い描いた夢を現実にしていく中で、疑いを持つことはありましたか?もし、そうであれば、その疑いはどんなもので、どうやって乗り越えましたか?

A: 自分の中で、子供向けの本を作りたいというのは、ずっとあったんだけど、実際に取り組むのに長い時間がかかった理由の一つに、オファーを受けたわけではない作品にたくさんの時間をかけても、出版社から拒否されるかもしれないという不安があったから。それは、まだ僕が始めていないプロセスであり、拒否は一般的なのさ。ここ10年で依頼された作品を作るという経験によって、僕は自信を得ることができた。挑戦することを恐れず、プロセスを通して一生懸命に取り組み続ける限り、いつか自分の望むものを出版できると、はっきりと断言できるよ。応援し続けてくれている友人たちや、クライアント、そして僕のアートのスキルを信じて励ましてくれた家族に心から感謝している。


Q: あなたは様々に違う環境や条件のもと、たくさんの人たちと取り組んできました。プロジェクトに関わらず、あなたの創作方法は同じですか?それとも、毎回違いますか?常に繰り返すプロセスがあれば、それについて少し教えて下さい。

A: クライアントから来る依頼の場合、そのプロジェクトによってプロセスは毎回違う。自分とは違うアーティストや考えを持つ人たちと取り組むときのケミストリーを楽しんでいるんだ。だって、それはいつもとは違う自分のパーツや、違う感情、雰囲気を使ってるってことだからね。どれも自分の一部だけど、異なるんだ。プロセスのいくつかは繰り返すものだけども、それはブレインストームとか没頭するセッションとか、かな。例えば、もしもミュージシャンとの仕事であれば、描き始める前に、彼らの音楽に没頭する必要がある。聴きながら、自由に感じたことを言葉として書き出し、色や雰囲気を考えて、実際に描き始める前に、クライアントと、その感覚を形にしていくんだ。そのあとに起こるものは、いつも最初にイメージしたり期待したのとは違うものになることが多いよ。それこそ、この上なく幸せなことだね。


Q: “As Long as the Heart”以外で、あなたが最も誇りに思っている作品はなんですか?その理由は?

A: お気に入りのプロジェクトを選ぶのは、不可能に近いよ。だって、僕が描くもの全て、自分の心の奥深くから生まれたものだから。最近は、アルバムアートやマップを描くのを楽しんでいる、とだけ言っておくよ!



Q: もっと深く掘り下げたい、または別のアングルを見つけたいと思ったプロジェクトはありますか?どのプロジェクトもそれぞれ違うので、これだと思うものに”触れる”のが、常に簡単なわけではないと思うのですが?

A: 未来に書きたいと思っている本以外では、プロジェクトに必要なアートワークがたいてい1つか数個しかないってことに悩まされることがあるよ。だって、そのイラストのキャラクターを発展させると「そこにはもっと物語があるのに!」って思うことが多くあるから。

 


Q: Alexは以前から、あなたと一緒に何かしたいと思っていて、あなたを自分のファンや友人たちに紹介するのは大事なことでした。アルバム『Windows in the Sky』がAlexにとって、どれだけパーソナルなものかを理解した上で“As Long as the Heart”に取り組むのは、どうでしたか?

A: 外からの視点で、誰かの作品にアプローチするというのは、ある意味でいつも強烈なことだ。彼らの観点として自分が感じたものと、自分自身の考えを混ぜ合わせるんだからね。その作品が激しくパーソナルな時には特に。でも、このプロジェクトは難しくはなかったんだ。だって、Alexの音楽の中に共感することがたくさんあって、その衝動に従ったから。


Q: “よし、これだ。これこそ探し求めていた中心的な要素だ”と分かったのは、どんな瞬間でしたか?

A: Alexにとって重要な瞬間は『Windows in the Sky』を聴いているときに、自然界の景色、または様々な景色を視覚化することであり、それが自分にとってどう感じたかをより鋭くしながら、ラフなドラフトを描いたときかな。もちろん、思いついた全ての要素を使うことはできなかったから、より大きく共鳴するものを選ばなきゃいけなかった。アルバムからは、たくさんの建築的なアイディアを受け取ったんだ。それもモダンじゃなくて、僕らの時代よりも、ずっと古いもの。アルバムのドラマチックな流れが、繋がりたかった建物の雰囲気を与えてくれたんだよ。風の吹き荒れた、うっそうとして、プライベートな建物を描きたかったんだ。



Q: Alex Henryほどはっきりとしたアイデンティティを持つアーティストとコラボレートするとき、自分のアイディアをシェアする前に疑いを持つことはありますか?

A: アイディアをシェアするのが難しかったことはないよ。ドラフトをシェアするのは、いつだって少し激しい経験だけどね。でも、ミュージシャンはたいていが働きやすいと感じるよ。それはきっと、僕も彼らと同じように考えるからだって思いたい。(実際ヴィジュアルアートよりも音楽が大好きなんだ!)それと、僕自身のプロジェクトSaint Deadmuleとして曲も作っているから、視覚的なアイディアを音にするのがどんな感じか理解するチャンスとなってる。もちろん、ドラフトはいつも、すんなりと通るわけじゃないし、それで良いんだ。それが人生さ。クライアントによっては、アイディアを言葉ではっきり伝えられる人もいれば、そうじゃない人もいる。それは、僕がどれだけ彼らに近づけるか、なんだ。Alexとのプロセスは、とても簡単だった!


Q: 特に嘆きや癒しなどの親密な感情を含む場合、それによって創作にためらいや遠慮が出たりすることはありますか?あなたのヴィジョンのコアをシェアしたとき、Alex Henryはどんな反応をしましたか?

A: パーソナルな心のヴィジョンを描くのに、特に悩んだことはないよ。というか、それは深いセラピー的なプロセスであり、どんどんナチュラルになっていったものだ。こういうヴィジョンを使って、お金をもらうチャンスを得た僕は、とてもラッキーだよ!Alexは、父親を亡くしたことがアルバムを作る要素となり、それによって、いくつかの象徴が生まれたと話してくれた。僕も昨年の夏に父を亡くしたから、Alexの言うことと、完全に繋がることができたんだ。僕自身もアートワークを通して、悲しみを乗り越えようとしたんだよ。このプロジェクトが、とてもスムーズだった理由に、そのことがあるかもしれない。難しいのは”パーソナルではない”ものだったりするよ!Alexの反応も、とても親切で、僕は彼の言葉に謙遜したんだ。彼は働くアーティストへのリスペクトだけでなく、本物の精神や、ほぼ奇跡に近いこのコラボレーションのプロセスと、その意義に敬意を示してくれた。彼のような思慮深い魂と仕事をすることは、自分の経験をより豊かなものにしてくれるよ。



Q: Alex Henryは、あなたが持つ”イラストとして描くのではなく、感情を視覚的に体現する才能”を称賛しています。あなた自身はそれをどう感じますか?それは、あなた自身が意識的に到達したいと思っているものですか?それとも創作プロセスにおける無意識な部分でしょうか?少し難解かもしれませんが、Alex Henryのコラボレーションの選択への視点において、しばしば語られることなので、彼のこの言葉をあなたがどう受け取っているのか知りたいと思いました。

A: あはは!えっと、もしもそう感じたなら、それは自然に起きたことだと思う。そして、それは毎回自分の疑いと和解する中で繰り返し描いた中でしか、生まれないと思う。自分が何も感じないものから、そういうものが生まれるとは考えにくい。感情のないデザインワークやウェブデザインやロゴとかさ。ロゴは特に僕にとって難しいんだ。だって、イラストとペアでない限り、何かを感じられないから。僕は言葉や名前も一緒にして取り組むのが好きなんだ。でも主に、描いている環境でそれが自然に生まれたときね。


Q: Alex Henryが自身の作品に関して詳しく話すのをあまり見たことがありません。受け取る側が彼ら自身の感情や視点で解釈するのを好むのです。それをふまえて、あなたは今回のイラストをどのように受け取っていますか?あなたにとっての意味は何でしょうか?

A: 僕にとって、この絵は愛と共に輝く心の、壊れた、けれど回復しようとする建築物を象徴しているんだ。聖人の手によって、爪楊枝に刺さったハートがハチドリの胸元まで上げられている。僕は特定の宗教を信じているわけじゃないけど、宗教的な像の影響を認識しているし、尊大な手は、実際の外の世界ではなく、魂の会話へと直接的に導いているように感じたんだ。だから、結果的に描いたものは、魂の中庭のようなもの。安心できる場所であり、外の世界で起きていることへの気持ちに対処できる場所なんだ。


Q: あなたの創作が世界中に広まり、このポスターは、ロシア、オーストラリア、日本、中国、UKやヨーロッパ全土、アメリカ全土の家の壁に飾られることとなりますが、その人の政治や社会的ヴィジョンが何であれ、アートが癒しの役割、または人に影響を与えるものになり得ると思いますか?

A: というか、とても慎ましい気分だよ!そして、絶対的にアートは癒しを与えるものだと信じてる。アートは、修復をするプロセスの一部なんだ。僕らは難しい世界に生きているけど、誰もがそれぞれの魂の建築にある中庭を維持することを大切に気にかけて欲しいと思う。木々は手入れが必要だし、通りは掃除が必要だ。時にうっそうとするまで、放置してしまうことがあるけれども。





Q: あなたの寛容な心をありがとうございます。あなたのことを少し知るチャンスがあった人たちに、最後に何か伝えたいことはありますか?

A: もしも、僕がシェアしたいことがあるとしたら、それは僕のウェブサイトかな!ぜひ www.redbuffalo.org にアクセスして、ポートフォリオを見たり、連絡をしてね。Instagramもやってるから、そちらもぜひ @redbuffaloill !僕の音楽はここで手に入るよ:www.saintdeadmule.bandcamp.com


Q: 最後に、Alex Henryのファンや友人たちからも“As Long as the Heart”は、とても称賛されているので、このコラボレーションは一度きりのものでしょうか、それとも将来的にもコラボレーションする可能性はありますか?

A: もちろんさ、すぐにね!このプロジェクトは夢だった。全てにおいて、本当にどうもありがとう!

Joeの他の創作については、こちらをご覧ください:http://redbuffalo.org/
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